『Call me by your name - 君の名前で僕を呼んで 』
昨年夏、「Call me by your name」というタイトルの映画の存在をドランのTwitterで知ったワタクシ。
今年のアカデミー賞にもノミネートされたし、きっと日本でも公開されるよね?と思っていたら、
珍しくワタクシの町でも公開日が主要都市と同じ予定だったので、狂喜乱舞してその日を待っておりました。
その日が昨日4月27日でして、初日に早速観て来ました。いやー、待った甲斐あった!


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Trailer








《あらすじ》

1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、アメリカからやって来た24歳の大学院生オリヴァーと出会う。
彼は大学教授の父の助手で、夏の間をエリオたち家族と暮らす。はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に反発を感じるエリオだったが、
まるで不思議な磁石があるように、ふたりは引きつけあったり反発したり、いつしか近づいていく。
やがて激しく恋に落ちるふたり。しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づく……。

(公式サイトより)


・ 『君の名前で僕を呼んで』 公式サイト







この映画を観たい、と思ってる人は多いだろうし、これから観る人のためにもネタバレは避けたいので詳細は書けないんだけど、
とにかくひと言、「美しい映画」でした。
ストーリーは至ってシンプル。「少年と青年、2人のひと夏の恋」、ただそれだけの話なんですよ。
出会って惹かれあって結ばれて、そしてさよならの日を迎える。
そう、ただそれだけのお話なのに、何てたくさんのものを与えてくれるのでしょう、この映画。
日々の何でもない小さな出来事を丁寧に丁寧に紡いでいくことで、エリオがオリヴァーに対して育てていった気持ちを、
気付けば観客である我々も自分の思いみたいに育ててた、って言うのか、自分の中にある過去の瞬間と重ねてた、と言うのか。


こういう「何でもない小さな出来事」をひたすらに重ねる手法は、下手をするとただ退屈なだけで眠くなったりすることもありますよね。
でもこの映画にはそれが全くなかった。
一見無駄にも思えるような何でもないシーンも、パズルのピースのように、一つ欠けても成立しない、全てが必要なものだったように思えて。





あと印象に残ったのは、「G&T」のTommyみたいに、同性愛に目覚めた少年・青年を描く時、大概はその性的アイデンティティへの
葛藤そのものを描くことが多いと思うんだけど、この映画では女の子とセックスしたい欲求もあるのに(実際それを満たしていながら)、
同性であるオリヴァーに惹かれていく自分をあっさり認めていると言うのかな。
自分ゲイなのかな、バイなのかな、なんてアイデンティティに悩むよりも、彼への気持ちそのものを持て余して焦れ焦れしてる感じ。
女の子といちゃつくシーンと比べても、オリヴァーには「好き!大好き!」みたいな抑えきれない思いを全身で伝えようとするの。
それがとても観ててきゅんと来るし、同時に切なくなって胸が締め付けられそうにもなりました。




あとイタリアが舞台ってことなんですが、英語とフランス語とイタリア語が飛び交ってて、そこも面白かった。
エリオのパパはおそらくアメリカ人なので基本的には英語を話す人のようですが、ママは英語もフランス語もドイツ語も堪能だし、
エリオはマルシアとはフランス語で話してるし、メイドのおばちゃんや庭師のおっちゃんにはイタリア語で話しかけてる。
特別にフランス語だとかイタリア語だとかそういった区別は字幕にも出てこないんですけど、イタリア語にはつい耳が反応しちゃってw
これは原作者であるアンドレ・アシマンが複数の言語を話す家庭に育ったらしく、育った環境を反映させたものなのでしょうかね。
「G&T」の舞台であるトレノもフランスとの国境に近いからか、フランス語を話す人も一定数いる、と聞いたこともありますし。
そう言えばマルシアを演じてたエステール・ガレルってルイ・ガレルの妹なんだって!言われてみれば似てる!

ティモシー・シャラメは、「ティモシー」がフランス語表記の「Timothée」だし、フランス系かなと思ってたらやはりそうらしく、
お父さんがフランス人なんだそう。

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映画でも流暢なフランス語を話していました。生まれ育ったはNYのマンハッタンらしいけど。
おっと!こんなとこにもウチのミシェ子さんがw (ひとり言です、スイマセン)





あとこの映画の中で白眉とも言えるのではないか、と思うのが、終盤のエリオの父親の言葉。

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ワタクシ、「このお父さんの言葉を聞くためにこの映画観に来たんだな。ありがとうパパ(つд⊂)」みたいな気持ちになってしまったw
インテリな両親だからリベラルなのかな、とも思えるけど、83年当時、今よりも同性愛には理解がない時代にこの考えを持つ両親はすごい。
あー。自分の親と比べてはイカンとわかっていながら、こんなパパに育ててもらいたかったw
そしてワタクシ自身は子供を持ちませんでしたが、エリオのパパとママは、もし子供がいたらこんな親になりたい、と思うような両親でした。
「G&T」のGiulioのパパとマンマもそうだったなあ。



ネタバレになるといけないのですが、ラストシーンもすごく印象的でした。
あそこは実に3分半もあったんですね。







そう言えば、観た後から知ったんだけど、この映画の原作を脚色したのが何と、あのジェームズ・アイヴォリー監督なんだとか!
自身の映画のためではなく、他人の監督作のために脚本を書いたのは初めてだったそうですが、英米両方のアカデミー賞で
見事に脚色賞を受賞なさってました。御年89歳!
アイヴォリー監督は「モーリス」が4Kデジタルリマスターされて、無修正版がリバイバル上映されるとかで、そちらのほうも話題ですよね。
こっちでも上映してくれるのかなあ?と思ったら、ワタクシのとこでは上映予定ないですねー。残念。
まあ遅れてくるかもしれませんけど。


てか、「モーリス」リバイバルしてくれるなら、「アナザー・カントリー」もして欲しいなあ。
ちょうどそろそろプライド月間にもなるしさー。
まあ「穴カン」…じゃねえやw、「アナカン」はシネフィルWOWOWさんやU-NEXTなんかでも観れますからね。まあいっか。
「アナザー・カントリー」も記事にしよう、と下書きしてあるんですけど、なかなか日の目を見ないですねえ。
まあアナカンについてはそのうちに。






っと脱線してしまいましたが、話は「Call me by your name」に戻ります(やっぱり原題のままのが好きだわー)。

アカデミー賞で歌曲賞にもノミネートされた曲もすごく好きで、昨日からずっと聴いてる。



70年代の音楽みたい。囁くように歌う声も優しいですよね。


音楽と言えば、エリオはピアノも得意な子だし、全般的にピアノ曲が流れるような映画でしたけど、
夜遊びのシーンなんかではサイケデリック・ファーズの「Love My Way」とか80年代当時の音楽も流れてて、
80’sとか洋楽好きさんにはそれも楽しいかも。
ワタクシもまさかの「Lady Lady Lady」に「(メ・ん・)?」っとなりましたよ。「フラッシュダンスの時代なのかー」と。
サントラもすごくよさげなので、この後あいちゅんに飛ぼうと目論んでいるワタクシであります。サントラ好きなんで。







語りたいことはまだまだありますが、公開されたばかりだし、ネタバレしちゃいけないのでこれくらいにしておきますかね。
DVDが出たらまた記事にするかもしんないけど。


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もう一度劇場に観に行きたいなあ。行けそうだったらもう一度行ってみようかな。
あと、久々に映画観たあとで原作読んでみたいと思った作品だったので、原作も読んでみようかなと思います。





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